アメリカの10年国債金利が上昇する理由

FX

よくニュースなどで、「米国10年債の利回りが~」というような経済ニュースを見る機会があると思います。なんとなく聞いているだけで、どうしてアメリカの10年債の利回りがあがるのか?できるだけわかりやすく解説をしていきたいと思います。

米国の10年債は株や為替にも大きな影響を与えます。

債権の知識を身に着けることができれば、今後投資をしていく際に方向感を判断しやすくなります。そして経済ニュースでどんなことを記者が伝えたいのか理解できるようになると思いますので、最後までご確認ください。

アメリカ10年国債金利

こちらが現在のアメリカの10年国債の金利になります。

2021年の大晦日から、約2倍になっていることがわかると思います。現在は3.136%です。

これだけ一気に国債の金利が上昇するのは過去を見ても珍しいです。

経済ニュースを見ても、10年債の利回りが3%になったというニュースが出ています。

しかし、こういったニュースでは、その「結果」についての記事がほとんどで、10年債の金利が上昇することでどんな事象が起きるかについて書いてある記事はとても少ないですし、専門用語が多く一般の人は中々理解しづらいと思います。

2種類の金利を理解しよう

まず金利には短期金利長期金利があります。

短期金利とは1年未満の金利のことを指します。そして、代表例としては「政策金利」です。この政策金利は中央銀行(日銀、アメリカはFRB)が世の中の景気や雇用の状況を見ながら決めます。決まった政策金利をベースにして、市中金利が決まります。市中気というのは、銀行の金利や住宅ローンの金利など私たちの生活に関わってくる金利のことです。

 

長期金利とは10年以上の金利のことを指します。代表例としては「10年国債」です。短期の金利は中央銀行がコントロールできますが、この長期金利は需要と供給によって市場が金利を決めるので、中央銀行がコントールすることは原則できません。しかし、現在の日本では例外として短期金利~長期金利まで日銀がコントロールをする(YCC:イールドカーブコントロール)政策をしているので、0.25%以上金利が上昇しない状況です。アメリカではそのような政策はとられていないので、現状で3%を超える金利がついています。長期金利は政策金利と、投資家の今後のインフレ期待によって決まると言われています。

債権価格と利回りの関係性

 

債権価格と金利(利回り)には逆相関の関係にあるということを理解しましょう。

景気が良い時には中央銀行は金利を上げることが多いです。なぜ、金利をあげるのか?というと現在のアメリカのようにインフレが進んでモノやサービスの値段が上がってしまうからです。モノの値段が上昇すると1番困る人は貧困層の人達です。そして、どの国も富裕層よりも貧困層の人の方が人口の割合が高いので、そういった人々の不満が高まればその国の政権の人気が無くなり、選挙で勝てなくなってしまう可能性が高くなってしまいます。

インフレになったとしても、富裕層はそこまでダメージを食らいません。いままで10ドルで買っていたパンを5ドルに変更すればいいからです。しかし、いままで5ドルのパンを買ってギリギリの生活を続けていた人達は食べるのに困ってしまいます。食べ物だけではなく、アメリカでは住宅の価格も急騰しており、社会問題になっています。

インフレになってきたら、金利を上げることで世の中に出回っているお金を回収します。銀行も金利を上げて会社がお金を借りづらくします。過熱している経済の熱を冷やしにいきます。そうなると、企業もいままでのように利益を出し続けることができず業績が悪化して、株に投資していた人は株を売りより安全国債を購入するという動きも出てきます。そうなると、債権価格は下落して、債権利回りは上昇します。

景気が悪い時には、中央銀行は金利を下げて景気を刺激します。コロナで消費が一気に落ちた時などに行われました。会社なども金利が低いとお金を借りやすくなるので、設備投資をした人を雇ったりして商売を行います。現在の日本はその低金利政策がずっと続いています。しかし、いくら金利を低くしても日本の景気は全く良くなっていないので現状です。

政策金利を下げることで、債権価格は下落をして、債権利回りは上昇します。文章だけだとわかりづらいと思いますので図で説明していきたいと思います。

現在のアメリカの10年国債

➀市中金利の上昇

➁新規に発行される国債の表面利回りが上昇

政策金利が上昇して市中金利の上昇すると、新規に発行される国債の表面利回りが上昇します。

1月に発行された国債を見てみると、価格が100/利率が1%/年数が10年です。

この債権は10年後に元金と1%の利息がついて返還されます。

3月に発行された国債を見てみると、価格が100/利率が2%/年数が10年です。

3月に発行された国債の方が利率が良いので、1月に発行された国債の人気は無くなってしまいます。そうなると、1月に発行された国債は誰も買ってくれなくなります。

③既発の国債価格が下落

④既発の国債利回りの上昇

それでは市場も困るので、3月に新規の国債が発行されると価格を下げます。

すると1月に発行された債権価格は、99/利率が1%/年数が10年となります。

こうすることで、3月に新規に発行された債権で得られる利率と同額にすることで市場で上手く流通するように帳尻を合わせる訳です。

こういったことが行われるので、債権利回りと価格は逆相関の関係にあると言われているのです。ですので、現在のように債権の利回りが上昇しているということは、現在債権の価格は下がっている。ということがわかります。

まとめ

一見複雑に見える、債権のマーケットですがFXをしていく上で10年国債の金利の動向を理解することで今後どういった方向に伸びる可能性が高いのか?を判断する材料になります。

為替相場でトレードをしていくのであれば、絶対的に債権の知識は付けておきましょう。

タイトルとURLをコピーしました