現在ドル円は134円まで下落して、135円を目指していきそうな勢いです。2022年に入ってから円安が止まりません。
今回は133円までドル円が下落した時のロイターに記載させている内容をできるだけわかりやすく解説していきたいと思います。
1ドル133円
こちらは、ドル円が133まで下落した時のロイターの記事です。
上から3行目の、
「海外中銀」がインフレ対応で金融引き締めに進む一方で~
という文章についてみていきましょう。
海外中銀というのは、「海外の中央銀行」ことです。
では、中央銀行とはなにか?
中央銀行というのは、その国で1番偉い銀行と覚えておくとわかりやすいです。
日本は「日本銀行」
アメリカは「FRB」
EUは「EUB」とそれぞれの名称があります。
中央銀行はその国の金利などを決めることができる権限をもっており、景気の動向によって政策を決めていきます。
次に「インフレ対応で」という文言です
海外の中央銀行が、インフレの対応をしているということです。
ではインフレとはなにか?インフレとは物価が上がっていくことです。
いままで100円で買えていたものが、1週間後に120円になることをインフレが進むといいます。海外ではこのインフレがもの凄い勢いで進んでいます。では、インフレで1番困るのは誰でしょうか?それは貧困層の人達です。それぞれの国の人口割合で1番多いのは「貧困層」の人達です。
多くの国民の生活をできるだけ、元の水準に戻すためにそれぞれの国の中央銀行はこのインフレをできるだけ抑える必要があります。
次に「金融引き締めに進む~」という文言を見ていきましょう
金融引き締めとはそもそも何か?と疑問に思う人も多いと思います。
金融引き締めとは、一言で言うと「政策金利を上げる」ことです。
政策金利というは、それぞれの国のベースとなる金利のことで短期金利とも言われます。この金利が上がることで、銀行の預金金利も上がりますし、企業が銀行から借りるときの金利も上がりますし、住宅ローンの金利も上がります。
では、金利が上がると世の中の人達はどういった行動をするでしょうか。
まずは銀行の預金が上がると、預金をして金利でお金を増やそうかなと思う人がでてきます。株などのリスクのある資産に投資している人もあ銀行に預ける割合が増えると予想されます。株や仮想通貨などのリスク資産よりも、銀行預金の方が利率は小さいのですが、ほぼ100%減ることはありません。
なので、金利が上がる時というのは、株価は下がりやすくなります。
企業が銀行からお金を借りるときの金利が上がると、企業が設備投資などできずに企業の活動が停滞していきます。そうなると、企業の収益が少なくなり、従業員への給与も減り、経済活動が停滞してしまう可能性があります。
住宅ローンの金利が上がると、各家庭の負担は増えていきます。住宅ローンの支払いで増える分の支出を食費や娯楽費など削れるところから削ります。そうなると、他の消費が減るので、経済的に見ると消費が減っていくのでマイナスになります。
では、そもそもインフレとはなぜ起こるのか?そこが理解できれば、日本以外の国が金融緩和をしている理由がわかってきます。
インフレは、需要と供給のバランスが崩れると起きる現象です。コロナが流行った時にマスクの値段が高騰しました。あの時も、マスクが欲しいという需要に対して、マスクのを供給する量が足りない。欲しい人は定価より高い料金を提示されても、そのマスクを買います。こうして、需要と供給のバランスが崩れるとその商品の価格は大きく変わっていきます。
逆に欲しい人が少ないのに、商品を大量に作りすぎても、全然売れないので売り手は赤字でもいいから安売りをしてでも売りたい。となります。
いまそれぞれの国で起きているインフレには、+@でエネルギー価格の高騰という要因もありますが、特にアメリカなどでは、コロナの巣ごもりが続いた反動で経済が再開して多くの国民の消費意欲が強くなっており、需要のペースに供給が追い付いていないのが現状です。
この需要のペースを緩める政策が、「政策金利を上げる」ということなのです。
銀行の金利を上げることで、いままでお金で色々と消費をしている人が銀行にお金を預ければ消費が落ち着きます。
企業が銀行からお金を借りるときに金利が高いと、お金を借りづらくなります。そうなると、積極的な設備投資が減っていくので経済の過熱を抑えることができます。
住宅ローンの金利が上がると、それぞれの家庭では毎月の固定費が増えてるので、消費などその他の消費が減ります。
こうして、加熱した経済を冷ましていく為に、「政策金利」を上げるのです。
まとめ
いかがだったでしょうか。
経済の記事というのは、専門用語が多いので慣れていない人が読むととても難しく感じることが多いと思います。
一文だけ解説をしても、かなり奥深く色々な要因が絡みあって経済は成り立っています。しかし、その中でも「金利」の動向がわかると今後の経済の見通しが立てやすくなります。
是非、参考にしてもらえると嬉しいです。