【FX】相場が大きく動くときのメカニズム ~投機と実需の攻防戦~

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相場が多く動くときは、投機の力と実需の力が合わさって大きなエネルギーが発生します。

2022年に入ってから、為替相場は円安ドル高の動きを見せています。この一方的に大きく動いている1番の要因はアメリカと日本の金利差です。長期的に見ると、円安がずっと続いているように見えますが、局所的に投機と実需の攻防が見られるような場面もあります。

実需が為替の相場にどのような影響を与えるのか?というのはなかなか話題になりにくいテーマです。しかし、124円→125円に相場が動いたときなどは、まさに局所的に実需の力が負けて、投機の力が勝ったと言わざるを得ないような動きをしていたので解説していきたいと思います。

 

1時間で1円も動くことというのはほぼありません。(大きな指標等の影響を除いて)

この時にどのような動きがマーケットにあったのか私なりの目線で解説していきたいと思います。

為替相場の1日の出来高

為替相場では1日に約721兆円の出来高があります。

これは日本の国家予算の約7倍、プライム市場の約24倍の規模です。日々凄まじい額の通貨が取引されているのがわかると思います。

その中で1番の需要がある通貨は「ドル」ですその次に「EUR」「JPY」と続きます。

ですので、まずはドルの今後の動向というのは為替取引をしていく上でとても重要になりますので常にドルがどんな状況になるのか把握しておく必要があります。

これだけのお金が動くのは、それぞれの国で貿易をする上で必ず自国の通貨を相手国の通貨に交換する必要があるからです。そして、そこに投機的な動きもプラスされて1日で約721兆円というお金が動いている訳です。

その内訳で見てみると、実は実需的な動きよりも圧倒的に投機的な動きで為替のマーケットは動いているというこを理解しておきましょう。

投機と実需のそれぞれの内訳

まず投機的な動きと言うのは、大きな資本をもったヘッジファンド等、大量のマネーを武器に利益至上主義の会社のことです。相場が上がろうが下がろうが、どんな局面でも利益を追求してトレードをしているような人達です。

実需的な動きと言うのは、国境をまたぐ貿易などで決済が発生する場合のことをいいます。

特に輸入業者は、海外から商品を仕入れるので、自国の円をドルに換えて商売をします。その時に、できるだけ為替の影響を受けたくないのです。円高に振れると輸入企業は仕入れ値が下がり、利益率があがります。

逆に円安に為替が振れてしまうと仕入れ値が上がり、利益率が下がり会社の業績も悪くなってしまいます。輸出企業は円安になると、輸出した商品が現地で割安で販売されることで売り上げが上がり、企業の業績はプラスなりやすいです。

このように企業は海外と商売をしていく上で、必ずこの為替の問題が出てきます。

できるだけ、企業はこのようなリスクを軽減したいので「為替予約」ということをして会社にとってなるべく為替の影響を受けずに、本来計画していた通りに商売を進めていきます。

為替予約とは

この為替予約というものは、将来のドルの交換レートを現時点で決めてしまうということです。

この為替予約をしてしまえば、3か月度に1ドルが120円になっていたとしても、あらかじめ115円で予約をしていれば1ドル115円で仕入れることができます。

しかし、この為替予約というのは、「もし125円まで円安が進んだ場合は、この権利は破棄」しまうというオプションが付いていることがほとんどです。

こういった権利を輸入企業は銀行等から購入します。これをオプション取引といいます。

こうして、金利差を生かして輸入業者はできるだけ有利に商売を進めていく為に、リスク追って(オプションが行使されなかった場合はドルを買うことができない)オプション取引をして、115円でドルを買うことができる権利を得ます。

オプション取引でその権利を買うということは、輸入業者は有利な位置でドルを買いたい。と思っているからです。逆にその権利価格でドルを買うことができなくなると、更に高値でドルを買う必要があるので、仕入れ値が上がり企業収支は悪化します。

そして、125円達して権利が無くなることを業界用語でノックアウトと言います。

ヘッジファンドなどは、こういった輸入業者の思惑を利用して、価格をできるだけノックアウトまで吊り上げようとします。しかし、輸入業者はノックアウト価格までいってしまうと、ドルを仕入れることができなくなってしまうので、ノックアウトのポジションまで価格が来る手前で一気にドル売り円買をして、価格を下げようとします。

しかし、圧倒的に資金を持っているヘッジファンドにはかなわず、ノックアウトのバリアをどんどんと打ち破られて、結果的に輸入業者は高値で更にドルを買わされ、ノックアウト手前でドル売り円買いをしていたポジションの決済も巻き込み、さらなる円安を生んでいった可能性があります。

 

まとめ

このように、今回の円安はとんでもない資金がマーケットに流れて、輸入業者の悲鳴の雄たけびと一緒に円安が進んでいった可能性が高いです。

そうなると、輸入業者の仕入れは高くなり会社の業績は悪化しますので、次回の輸入業者の決算は予想よりも悪くなる可能性が高くなります。

為替の相場は色々な要因で動きますが、今回のように一気に相場が動くときには投機と実需の力が一気に動いて円安に振れることがありますので覚えおくと今後のトレードの役に立つと思います。

 

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