「移動平均線(MA)」は、世界中のトレーダーが最も多く使っているインジケーターの一つです。
FXをこれから学ぶ方、もっと勝率を上げたい中級者の方にとって、
移動平均線の仕組みと正しい活用方法を理解することは、相場分析の土台づくりに繋がります。
本記事では、移動平均線とは何か、
どのようにチャート分析に役立つのかを分かりやすく解説します。
移動平均線(Moving Average:MA)とは?
移動平均線とは、過去の一定期間の終値を平均して線で結んだグラフのことです。
ローソク足が1本進むごとに、その平均を1本ずつ更新して描画されるため、
「移動」平均線と呼ばれます。
たとえば、5期間のMA(5MA)は直近5本のローソク足の終値の平均を表します。
このように、期間を変えることで、短期・中期・長期のトレンドをそれぞれ把握できるのが特徴です。

よく使われる代表的なMAの期間
移動平均線は自由に期間を設定できますが、
多くのトレーダーに使われている「定番の数値」には理由があります。
FXや株式市場でよく使われている主な期間は以下の通りです。
-
5MA:超短期(バイナリーオプションなど向き)
-
20MA:短期トレンド
-
60MA:中期トレンド
-
100MA:中長期トレンド
-
200MA:長期トレンド、グランビルの法則で有名
特に200MAは、世界中のプロトレーダーが意識しているライン。
「多くの人が見ているラインは効きやすい」
=大衆心理に基づく抵抗・支持の目安になりやすいという点でも非常に信頼されています。
移動平均線で分かること
① トレンドの方向性をつかむ
相場は「トレンド相場」と「レンジ相場」を繰り返します。
移動平均線を見ることで、今がどの相場環境なのかを視覚的に把握できます。
-
MAが上を向いていれば上昇トレンド
-
MAが下を向いていれば下降トレンド
-
MAが横ばいならレンジ相場
特に長期足(H1、H4、日足など)の移動平均線の向きは、下位足(5分足・15分足など)でのエントリーにも大きく影響します。
② 支持線・抵抗線として使える
移動平均線は、チャート上でローソク足が「反発」や「跳ね返り」を見せる重要なラインとなることが多くあります。
-
サポート(支持線):価格がMA付近で下げ止まる
-
レジスタンス(抵抗線):価格がMAで跳ね返される
これは、多くのトレーダーが同じラインを意識して売買をしているため。
つまり、大衆心理が作用する「見えない壁」のようなものです。
また、ローソク足は移動平均線に向かって収束しやすい性質があるため、
MAから大きく離れたタイミングで「戻り」を狙った逆張り戦略も考えられます。
ゴールデンクロスとデッドクロスとは?
ゴールデンクロス
短期のMAが長期のMAを上抜ける現象。
これは、上昇トレンドの始まり(買いサイン)とされ、多くのトレーダーが注目しています。
デッドクロス
逆に、短期のMAが長期のMAを下抜ける現象。
これは、下降トレンドへの転換(売りサイン)として意識されます。
※これらのサインが出たときに、出来高の増加が伴っているとより信頼性が高いとされています。
SMAとEMAの違い
移動平均線には大きく分けて2種類あります。
-
SMA(単純移動平均線):全期間の終値を均等に平均したもの
-
EMA(指数平滑移動平均線):直近の終値により重みを置いた平均
EMAはより敏感に価格の変化を追うため、短期トレードやバイナリーに向いていますが、
現在でも多くのトレーダーはSMAを基準に分析しているのが現実です。
移動平均線を味方につけるには
相場は「テクニカル」ではなく、「大衆心理」で動いています。
だからこそ、多くの人が見ている移動平均線の使い方を理解することが、相場の流れを読む第一歩です。
チャートを開いたら、まずは移動平均線を入れてみてください。
ローソク足と移動平均線の位置関係、反発の動き、収束の流れ…
これらを観察・検証することが、未来の勝ちトレードに繋がります。
まとめ
-
移動平均線は、世界中のトレーダーに愛用されている基本中の基本
-
トレンドの方向、サポート・レジスタンスの判断に役立つ
-
よく使われる期間(20、60、200)を意識しよう
-
ゴールデンクロスやデッドクロスも重要な転換サイン
-
SMAとEMAの違いを理解し、目的に応じて使い分ける
「移動平均線は入れてるけど、何となくでしか見ていなかった…」
そんな方はぜひ、この機会に本質的な意味と使い方を理解して、
チャート分析の精度を上げていきましょう!
